「ダンベルって、なんでこんな名前なんだろう?」
夜のジムで、ふと手に持った可変式ダンベルを見つめながら、そんな疑問を抱いたことはありませんか?実は、この鉄の塊には、私たちが想像もつかないようなユニークな物語が隠されています。
今回は、知れば誰かに話したくなるダンベルの由来から、実際に私が数々の器具を使い倒して行き着いた、失敗しない選び方までを深掘りします。
衝撃の真実:ダンベルはかつて「鐘」だった
結論から言うと、ダンベル(Dumbbell)の語源は、英語の**「Dumb(口のきけない、音の出ない)」と「Bell(鐘)」が組み合わさったものです。つまり「鳴らない鐘」**という意味です。
「なぜ筋トレなのに鐘?」と思いますよね。その舞台は17世紀〜18世紀頃のイギリスにまで遡ります。
当時、教会の鐘を鳴らす「鐘突き(ベルリンギング)」は非常に体力を使う重労働で、実は当時の男性たちにとって絶好のトレーニング機会でもありました。しかし、練習のたびに街中に大きな鐘の音を響かせるわけにはいきません。
そこで考え出されたのが、実際の鐘から音を出す「舌(ぜつ)」を取り除いた練習機です。
- 重さはそのままに、音だけを消した装置
- 室内で黙々と上半身を鍛えるためのツール
これこそが、現代のダンベルの原型なのです。当時の貴族たちが、豪華な部屋で音の出ない巨大な装置を必死に引っ張っている姿を想像すると、なんだか少し親近感が湧きませんか?
日本で呼ばれる「鉄アレイ」との意外な関係
日本では「鉄アレイ(鉄亜鈴)」という呼び名もお馴染みですよね。実はこれも、ダンベルの由来を忠実に再現した名前なんです。
「亜鈴」の「亜」には「次ぐ、準ずる」という意味のほかに、「(音が)出ない」というニュアンスが含まれています。つまり、Dumbbellを直訳して「音の出ない鈴(すず)」と訳した明治時代の先人たちのセンスが光るネーミングなのです。
私も最初は鉄アレイと聞いて「なんだか古い言い方だな」なんて思っていましたが、その成り立ちを知ってからは、この漢字の並びに妙な職人魂を感じるようになりました。
古代ギリシャから続く「重り」の歴史
ダンベルのような器具の歴史はさらに古く、古代ギリシャまで遡ります。
当時は「ハルテレス」と呼ばれる、石や金属で作られた取っ手付きの重りが使われていました。驚くべきことに、彼らはこれを走り幅跳びの際に持ち、反動を利用してより遠くへ飛ぶために使っていたそうです。
現代でパワーブロックを持ってジャンプしようものなら膝を壊しそうですが、強靭な肉体を求めた古代人の探究心には脱帽です。
体験から語る、現代ダンベルの賢い選び方
歴史を知ると、手元にある器具への愛着も湧いてくるものです。ただ、いざ自宅で始めようと思った時に「どのタイプを選べばいいのか」は死活問題。私が数々の失敗を経て学んだ、今の正解をお伝えします。
1. 結局、一番コスパが良いのは「可変式」
初心者の頃、私は安さに惹かれて固定式ダンベルをいくつも買い足しました。結果、部屋は鉄の塊だらけ。掃除も大変ですし、何より「もう少し重くしたい」と思った時にまた買う手間がかかります。
今なら迷わずダイヤル式可変式ダンベルを推奨します。カチカチとダイヤルを回すだけで重さが変わる快適さは、一度味わうと戻れません。
2. 握り心地(グリップ)を妥協しない
意外と見落としがちなのがシャフト(持ち手)の質感です。プラスチック製は汗で滑りやすく、怪我の元。私は必ずローレット加工(網目状の滑り止め)がしっかり施されたスチールダンベルを選ぶようにしています。
3. 床への優しさは必須
マンション住まいなら、ラバーコーティングされたラバーダンベル一択です。不意に床に置いた時の「ゴン!」という衝撃音は、近隣トラブルの原因になりますから。
終わりに
ダンベルの由来が「鳴らない鐘」だったと知ると、ただの筋トレも少しだけ高尚なものに感じられませんか?
あなたが次にトレーニングベンチに横たわり、重いダンベルを押し上げる時、その手に握っているのは数世紀にわたる「肉体改造の歴史」そのものです。
さあ、今日はどの「鳴らない鐘」を鳴らしましょうか?



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