「昨日の自分をわずかでも超えたい」と願うトレーニーにとって、サプリメントの王道とも言えるのがクレアチンです。しかし、いざ飲み始めてみると、健康診断の「クレアチニン」という項目で数値が跳ね上がり、「腎臓が壊れたのではないか」と肝を冷やした経験を持つ方も少なくないでしょう。
この記事では、名前が酷似しているために混同されやすいクレアチンと「クレアチニン」の決定的な違いから、実体験に基づいた数値の変化、そして安全にパフォーマンスを最大化させるための向き合い方を詳しくお伝えします。
1. 似て非なるもの:エネルギーと老廃物の関係
まず大前提として、この二つは「原材料」と「燃えカス」の関係にあります。
- クレアチン(原材料)筋肉を動かすための瞬発的なエネルギー源です。食事では赤身肉や魚に多く含まれますが、筋肉をパンパンに満たすにはサプリメントでの摂取が効率的です。
- クレアチニン(燃えカス)クレアチンが体内で使われた後にできる代謝産物、つまりゴミです。通常は腎臓で濾過され、尿と一緒に体の外へ捨てられます。
私が初めてクレアチン パウダーを導入した際、ベンチプレスのラスト1レップで粘りが効くようになる感覚に驚きました。しかし、その代償として血中の「ゴミ(クレアチニン)」が増えるのは、生物学的なメカニズムとして至極当然のことなのです。
2. 健康診断で「クレアチニン値」が上昇するカラクリ
なぜ、クレアチン サプリメントを飲むと健康診断で引っかかりやすくなるのでしょうか。理由はシンプルで、血中のクレアチニン量は「筋肉量」と「クレアチンの摂取量」に比例するからです。
一般的な健康診断の基準値は、筋トレをしていない平均的な体格の人を想定して設定されています。そのため、週に数回ジムに通い、ダンベルを振り回して筋肉を追い込んでいる人の数値は、最初から高めに出る傾向があります。
さらに外部からクレアチン モノハイドレートを補給していれば、体内の「燃えカス」が増えるのは当たり前です。実際に私も、バルクアップ期に数値が基準値をオーバーし、再検査一歩手前まで行ったことがあります。しかし、これは「腎臓が傷んでいる」のではなく、単に「代謝のサイクルが活発すぎる」ことが原因である場合がほとんどです。
3. 体験から語る、数値をコントロールするための知恵
数値を正しく評価し、腎臓への負担を避けるために私が実践している3つのポイントを紹介します。
水分摂取を「これでもか」というほど徹底する
クレアチンは細胞内に水分を引き込む性質があります。水分が不足すると血液が濃縮され、クレアチニン値が余計に高く出てしまいます。私は2リットル ペットボトルを持ち歩き、1日最低でも3リットルの水を飲むようにしています。
診断前は「オフ」の期間を設ける
健康診断の3日〜1週間前からクレアチンの摂取を控え、激しいトレーニングも休むようにしています。筋肉の炎症や過剰な代謝物を抑えることで、自分の本来の腎機能を正しく測定してもらうためです。
独自の指標「eGFR」を確認する
クレアチニン値だけで一喜一憂せず、腎臓の濾過能力を示す「eGFR」という数値にも注目してください。もし不安であれば、クレアチンを飲んでいる旨を医師に正直に伝えた上で、より筋肉量の影響を受けにくい「シスタチンC」という項目で検査してもらうのも一つの手です。
4. 賢くサプリメントを使いこなすために
クレアチンは、科学的に最も効果が証明されているサプリメントの一つです。正体不明のプレワークアウトに頼るよりも、まずは良質なクレアチンを3〜5g、毎日コツコツと飲み続けることが近道です。
「クレアチニン値が高い=悪」と決めつけるのではなく、それが自分のハードなトレーニングの証なのか、それともケア不足なのかを見極める目を持ちましょう。正しい知識を持ってシェイカーを振れば、健康数値を過度に恐れることなく、さらなる高みを目指せるはずです。
次は、あなたが自身の体の数値を「理解」し、自信を持ってパワーラックに向かえる番です。



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