走っている最中、あるいは長めのトレーニングの後半で、急に集中がほどける瞬間があります。脚が重いというより、頭の回転が落ちてフォームが雑になる感じ。水は飲んでいるのに、なぜかペースだけが下がっていく。そんな場面で「糖を入れる」という発想に切り替えさせてくれたのがザバス ピットインでした。プロテインのイメージが強いザバスですが、ザバス ピットインは“運動中のエネルギー補給”に寄せた補給食で、いわゆる「後半の失速対策」に刺さりやすい立ち位置です。
ザバス ピットインで迷いやすいのは、ジェルとバー、どっちを選ぶかです。まず定番なのがザバス ピットイン エネルギージェル。1袋で170kcalのエネルギーを入れられる設計で、マルトデキストリンを中心に、ビタミンB群やビタミンC、さらにクエン酸やナトリウムなど“汗をかく前提”の成分が並びます。運動中に欲しいものを、短時間でまとめて入れる発想なので、体感としても「戻りが早い」と感じやすいタイプです。私の場合、ペース走で残り数キロのところ、呼吸は余裕なのに脚が前に出なくなるタイミングがありました。そこでザバス ピットイン エネルギージェルを半分ほど入れて水で流すと、数分後に脚の回転が戻ってきて、フォームの乱れが落ち着いたのを覚えています。劇的に速くなるというより、「落ちていくのを止められる」感覚に近いです。
ただし、飲みやすさは人によって好みが分かれます。ザバス ピットイン エネルギージェルは“さらっとしたゼリー飲料”というより、濃さを感じるジェル寄りの口当たりで、急いで飲むと喉にまとわりつくように感じることもあります。ここで効くのが「キャップ付き」という作りです。全部を一気に入れなくてもよく、走りながら少しずつ足せる。私は最初、補給=一気飲みだと思い込んでいて失敗しました。胃がびっくりして気持ち悪くなることがあったんです。そこから、ひと口分を入れて水、またひと口分を入れて水、というリズムに変えたら、同じジェルでもずっと扱いやすくなりました。味の種類によってはカフェイン入りのものもあるので、夜の練習やカフェインが苦手な人はそこも確認しておくと安心です。
一方で、「ジェルはどうも苦手」という人に向きやすいのがザバス ピットイン ゼリーバーです。こちらは噛めるタイプで、1本あたり100kcalと“バナナ1本分相当”のエネルギー補給を想定した作り。ドリンクっぽさがない分、口に入れたときのストレスが少なく、補給している実感も得やすいです。長めのライドや、荷物を増やしたくない登山寄りの運動でも「ポケットに入れておけるサイズ感」は意外と助かります。私が気に入ったのは、気持ちが焦っているときほど“噛む”動作が落ち着きを作ってくれるところ。ジェルだと手早く入れられる反面、動作が単調で、補給した実感が薄いことがあります。ザバス ピットイン ゼリーバーは口が動くので、脳が「補給した」と納得しやすい。後半の集中が切れかけているときほど、この差が地味に効きます。
では、いつ使うのがいちばんいいのか。私の結論は「失速してから慌てるより、失速しそうな予感が出た瞬間」です。脚が攣りそうとか、めまいがするといった明確なサインではなく、集中が散る、腕振りが雑になる、呼吸に対してペースが落ちる、といった“崩れの前兆”を合図にしています。ここでザバス ピットイン エネルギージェルなら少しずつ入れて水で流す、ザバス ピットイン ゼリーバーなら数口に分けて噛む。こうすると胃への負担が少なく、体感としても立て直しが早いです。逆に、完全に空っぽになった状態で一気に入れようとすると、胃が動いてくれず、補給が遅れてしまう感覚がありました。
ザバスのプロテインと混同されがちですが、ザバス ピットインは目的が違います。プロテインは主にトレーニング後の回復やたんぱく質摂取の話になりやすいのに対して、ザバス ピットインは運動中の“燃料”を入れる立ち位置。言い換えるなら、プロテインが「家に帰ってからの食事」だとしたら、ザバス ピットインは「道中の給油」。この整理がつくと、選び方もすっきりします。短時間で一気に戻したいならザバス ピットイン エネルギージェル、噛みながら落ち着いて補給したいならザバス ピットイン ゼリーバー。私はレースっぽい強度の日は前者、ゆっくり長く動く日は後者、という使い分けに落ち着きました。
買い方の話も現実的に大事です。ザバス ピットインは、欲しいタイミングで近所に必ずあるとは限りません。いざ必要になってから探すと、思ったより手に入らないことがあります。だから私は、初めて試すときは少量で味や相性を確認して、合うと分かったらまとめて確保するようにしました。レース前やイベント前は、心の余裕があるうちに手元に置いておく。それだけで当日の不安が減ります。
ザバス ピットインは、特別な人だけのものではありません。週末に長めに走る人、仕事終わりにジムで粘る人、後半になるほど集中が落ちやすい人ほど、効果を実感しやすい補給だと思います。失速の原因がすべて糖不足とは限らないけれど、少なくとも「燃料切れかもしれない」という選択肢を手元に持てるのは強い。後半の自分を助ける“お守り”として、ザバス ピットインを一度試してみる価値はあります。



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