筋トレを始めてしばらくした頃、「BCAAってサプリじゃないと無理なのかな?」と疑いはじめた。結論から言うと、食品だけでも十分いける。むしろ、食事で回せるようになると生活が整って、トレーニングの調子もブレにくくなった。
BCAAはバリン・ロイシン・イソロイシンの総称で、必須アミノ酸。体内で作れないから、食べ物から入れるしかない。じゃあ何を食べればいいかというと、難しい話はさておき「良質なたんぱく質が多い食品」に寄せるのがいちばん早い。具体的には肉・魚・卵・大豆・乳製品。この5つを軸に回すだけで、BCAAを“意識した食生活”が形になる。
最初にやったのは、いきなり完璧を目指すことじゃなくて、選択肢を減らすことだった。毎食、栄養計算をするのは続かない。だから「主菜の候補」を固定した。鶏むね肉、刺身、卵、納豆、ヨーグルト。このあたりを常連にして、あとは気分で入れ替える。これだけで、食事が“考えなくても整う”状態に近づいた。
ただ、実際にやってみると落とし穴もある。肉を頑張りすぎると胃が重い。仕事が詰まると自炊が崩れる。飽きてしまって外食に流れる。そこで「食品でBCAAを増やすコツ」は、意外と栄養より設計の問題だと気づいた。ポイントは3つ。1日トータルで主菜を落とさないこと、筋トレの前後だけは軽めに寄せること、忙しい日の逃げ道を用意すること。
まず、1日トータル。体感として、朝が適当でも昼と夜で帳尻は合わせられる。でも逆に、昼と夜が崩れると一気にリカバリーが難しい。だから私は「昼か夜のどちらかは必ず肉か魚」を自分ルールにした。朝は卵やヨーグルトで軽く済ませても、昼夜の主菜が立っていれば安心できる。
次に筋トレ前後。トレ前に脂っこいものを入れると、ウエイト中に胃が気になって集中できない日がある。これは何度か失敗して学んだ。だからトレ前は、おにぎり+ヨーグルト、バナナ+牛乳、卵サンドみたいな“軽い組み合わせ”に寄せた。トレ後は、サラダチキン+おにぎり、刺身+ご飯、納豆ご飯+卵。胃に優しくて、食べた後の回復感も悪くない。サプリの即効性みたいな派手さはないけれど、翌日の体の軽さが安定してくるのがわかった。
そしていちばん大事だったのが、忙しい日の逃げ道。ここで頼りになるのがコンビニだ。私は「コンビニテンプレ」を2つ作った。ひとつ目は、サラダチキン+ゆで卵+おにぎり。ふたつ目は、ギリシャヨーグルト+チーズ+バナナ。テンプレがあると、疲れていても迷わない。迷わないから買える。買えるから続く。続くから、結果的にBCAAもたんぱく質も途切れない。ここが勝ち筋だった。
ここからは、私が実際に回した「1週間の食品BCAAルーティン」をそのまま書く。細かい栄養素の数字より、どうやって続けたかのほうが役に立つと思う。
月曜は仕込みの日にした。夜に鶏むね肉をまとめて茹でて、ゆで卵を6個作る。これだけで火〜木が一気にラクになる。正直、これをやらない週は、平日に食事が崩れる確率が上がった。食事が崩れるとトレーニングの気持ちも崩れる。だから「月曜に未来の自分を助ける」が習慣になった。
火曜はトレ日。朝はヨーグルトとバナナ。昼はサラダチキンとおにぎり。トレ後はゆで卵と牛乳。夜は刺身(まぐろ赤身が多い)とご飯。こうやって書くとストイックに見えるけど、実際は「軽いもの→しっかり→軽い→しっかり」のリズムを作っただけ。トレ後に唐揚げ弁当を食べて胃がもたれた経験があるので、それ以降はトレ後だけは軽め優先にしている。
水曜は休み。ここで肉を続けると飽きるから、大豆を挟む。朝は卵かけご飯+納豆。昼は作り置きの鶏むね肉とサラダ。夜は豆腐に、ちょっとチーズを足して満足度を上げる。たんぱく質の摂り方を変えると、同じ“栄養を摂っている”でも気分が切り替わる。飽きって、想像以上に継続の敵だ。
木曜もトレ日で、仕事が忙しい想定の日。ここはコンビニ縛りで勝つ。昼にサラダチキン+ゆで卵+おにぎり。トレ後にギリシャヨーグルト。夜は外食で焼き魚定食。コンビニ飯は乱れやすいと思っていたけど、主菜(たんぱく質)と主食(炭水化物)を揃えるだけで意外と整う。変にサラダだけで終わらせるより、よほど安定する。
金曜は休みで、外食が入りやすい日。ここは「牛・鶏・魚・卵・大豆のどれかが入る定食」を選ぶだけにした。揚げ物単体で終わらせない。刺身か焼き魚か卵料理を足す。たったそれだけで、翌日のむくみやだるさが変わることが多かった。外食の罪悪感も減る。
土曜はトレ日で活動量が多い。ここは主菜を2回入れる。トレ前におにぎりと牛乳。トレ後に鶏むね肉とご飯。夜は卵料理か、魚を足す。ガッツリやる日ほど、食事が雑になると後で反動が来る。だから土曜は最初から“ちゃんと食べる日”にしてしまったほうがラクだった。
日曜は飽き対策の日。鶏だけだと飽きるから、豚や魚にローテする。納豆もねぎ、キムチ、海苔で味変する。地味だけど、これが翌週を左右する。栄養は同じでも、食べる気になるかどうかで全部が決まる。
この1週間を回して感じたのは、食品でBCAAを意識する最大のコツは「完璧」じゃなく「途切れない仕組み」だということ。頑張って鶏むね肉を食べる日があっても、忙しい日がゼロなら意味が薄い。逆に、毎日70点でも落ちない週は、トレーニングの出力が安定する。体感としても、回復がぶれにくく、だるさの波が小さくなった。
よくある失敗も書いておく。肉ばかりで胃が重くなったら、魚・大豆・ヨーグルトに逃げる。忙しくて崩れるなら、コンビニテンプレを2つだけ決める。数字にこだわって疲れるなら、「今日、主菜を入れた回数」だけ数える。BCAAは良質なたんぱく質に多いので、食品選びの方向性さえ合っていれば、日常の範囲で十分に積み上がる。
もしこれから始めるなら、まずは鶏むね肉、卵、納豆、ヨーグルト、刺身。この5つを“いつでも選べる札”として持っておくのがおすすめだ。そこにコンビニテンプレを足せば、サプリなしでもBCAAを意識した食生活は案外ふつうに回せる。結局のところ、強いのは根性じゃなく仕組みだった。



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