「筋トレの成果を最大化したい」という一心でクレアチンを飲み始め、充実したトレーニングライフを送っていた矢先、健康診断の結果を見て青ざめる……。これは、熱心なトレーニーなら誰もが一度は通る「あるある」の道かもしれません。
判定結果に書かれた「腎機能の低下」や「要再検査」の文字。しかし、焦ってサプリメントをゴミ箱に捨てる前に、まずは冷静にそのメカニズムを知ることが大切です。私自身の体験も含め、クレアチン摂取と健康診断の数値の関係、そして検査をスマートに乗り切るための方法を詳しく解説します。
なぜ「クレアチン」を飲むと健康診断で引っかかるのか?
結論から言うと、健康診断で測定されるのは「クレアチン」そのものではなく、その代謝産物である「クレアチニン」だからです。
クレアチンとクレアチニンの違い
クレアチンは、筋肉が瞬発的なパワーを発揮するためのエネルギー源として蓄えられます。これが使われると、ゴミ(老廃物)として「クレアチニン」に変化します。通常、この老廃物は腎臓で濾過されて尿として排出されます。
腎機能「eGFR」の罠
健康診断の腎機能判定で使われる「eGFR(推算糸球体濾過量)」という数値は、実は血液中のクレアチニン値をもとに計算されています。
「血中のクレアチニンが多い=腎臓がゴミを濾過できていない=腎機能が落ちている」と、機械的に判断されてしまうのです。
しかし、クレアチンモノハイドレートなどのサプリを摂取し、さらにハードなトレーニングで筋肉量が多い人の場合、外から入れる量も中から出る老廃物も一般人より圧倒的に多くなります。つまり、腎臓が元気であっても、血中のクレアチニン濃度だけが跳ね上がってしまう「偽陽性」の状態が起こりやすいのです。
実体験:私が再検査を回避するために実践した3つのルール
私自身、初めての健康診断でクレアチニン値が基準をオーバーし、医師から首をかしげられた経験があります。それ以来、検査前には以下のルーティンを徹底しています。
1. 検査前48時間は「完全オフ」にする
筋トレ直後は、筋肉の微細な損傷によって血中のクレアチニン値が一時的に急上昇します。スクワットやデッドリフトで追い込んだ翌日に採血をすれば、数値が悪くなるのは火を見るより明らかです。検査の2日前からはトレーニングを休み、筋肉を落ち着かせることが鉄則です。
2. 水分補給を怠らない
脱水状態になると、血液が濃縮されてクレアチニン値が高く出やすくなります。「検査前は絶食」という指示がある場合でも、水については制限がない、あるいは少量の摂取が認められているケースがほとんどです。体内の循環を良くしておくことが、正確な数値を出す秘訣です。
3. 正直にサプリメントの摂取を伝える
これが最も重要です。問診票の備考欄や医師の診察時に、「クレアチンサプリを毎日5g摂取しており、日常的に高強度の筋力トレーニングを行っています」とはっきりと伝えましょう。知識のある医師であれば、それだけで「なるほど、それが原因ですね」と納得してくれることも多いです。
それでも数値が心配な方へ
もし、どうしても腎機能の真実を知りたい場合は、「シスタチンC」という項目を検査に追加できないか医師に相談してみてください。
一般的な検査項目ではありませんが、シスタチンCは筋肉量や食事の影響を受けにくいため、純粋な腎機能を測る指標として非常に優秀です。
クレアチンは、科学的根拠が豊富で非常に効果的なサプリメントです。健康診断の結果に一喜一憂して、せっかく積み上げてきた努力を無駄にする必要はありません。仕組みを正しく理解し、賢く自分の体と向き合っていきましょう。



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