パッド付きバーでスクワットをした後に肩の強い痛みや赤みが数日続くなら、そのバーでのスクワットを中止し、痛みを我慢してフォームや重量を試し直さないでください。バーの種類をジムスタッフに確認し、症状が続く・悪化する場合や腕を動かしにくい場合は医療機関へ相談します。脚の筋トレを続けるか、どの種目に替えるかは、肩や背中の症状と個別の制限を確認してから決めます。
パッド付きバーで肩が強く痛み、赤みが続くならスクワットを中止する
パッド付きバーを使った後に肩の強い痛みや赤みが数日続く場合は、そのスクワットを中止し、肩や背骨の状態を自己判断で診断せず専門家に相談してください。
発端となったのは、通常のバーでは背骨に強い痛みが出るためジム備え付けのパッド付きバーを使っている利用者が、重いセットの後に肩がひどく痛み、赤みが数日残ると訴えた投稿です(Squat help)。ただしこれは利用者の自己申告であり、投稿だけでは痛みや赤みの原因、けがの有無は判断できません。この投稿を、パッド付きスクワット一般に起きる症状の頻度や原因として一般化しないでください。
同じバーでセットを続けたり、パッドを外して同じ動作を試したりするのは避けてください。「パッドを替えれば解決するかもしれない」と考えて痛みを試すのではなく、まず中止が優先です。
NHSは肩の痛みについて自己診断を避けるよう案内し、腕を動かせない、急な強い痛み、しびれ、著しい腫れや変形、発熱などを緊急相談の目安として挙げています(Shoulder pain – NHS)。これらに当てはまる場合は、トレーニングの調整より医療相談を優先してください。
運動を止めて相談する肩の症状
肩の強い痛みや、赤み・腫れが続く状態は、フォームの自己修正を優先せず、スクワットを中止して専門家へ相談する状況です。相談の準備として、痛みが出たセット、使用したバー、赤みや腫れの有無、症状が続いた期間を記録しておくと状況を伝えやすくなります。
NHSは、痛みが悪化する場合や2週間たっても改善しない場合、腕や肩を動かしにくい場合にも相談するよう案内しています(Shoulder pain – NHS)。この2週間という期間は英国の公的案内に基づく目安です。日本で受診先や緊急時の連絡先を探す場合は、日本の公的な案内に従ってください。
なお、投稿者が語る「背骨の問題」という説明は本人の自己認識であり、医学的に確認された診断として扱えません。痛みの原因を特定した前提で話を進めないようにしてください。
パッドを替える前に、バーの種類と痛む動作を確認する
フォームパッドを付けた通常のバーとセーフティスクワットバーは別の器具なので、まずジムスタッフに器具の種類を確認し、肩や背中に痛みが出る状態で自分だけで再試行しないでください。
ジム備え付けの器具が、通常のバーベルに取り付けるフォームパッドなのか、肩に載せるパッドと持ち手が付いたセーフティスクワットバーなのかを区別することが出発点です。名称が似ていても構造が異なるため、見た目だけで判断せずスタッフに尋ねてください。
NSCAの戦術系アスリート向け資料では、セーフティスクワットバーは肩の外旋を要しない構造として説明され、肩の不安定性がある場合の選択肢に挙げられています(Rehabilitation to Performance of the Shoulder for the Tactical Athlete)。ただしこれは戦術系アスリートを主な対象とした内容です。セーフティスクワットバーが肩や背中の痛みを治す器具でも、誰にでも使える代替策でもない点は押さえておいてください。
バーを担ぐ位置についても、通常の高バーと低バーでは姿勢や関節角度、筋活動に違いがあると報告されています(A Review of the Biomechanical Differences Between the High-Bar and Low-Bar Back-Squat)。しかし、これはバー位置を変えれば個別の肩痛が解消する根拠にはなりません。痛みがある状態で位置を変えながら試すのは避けてください。
器具を整理すると、次のように役割が異なります。
| 器具 | 肩の位置・構造 | 記事で伝える注意点 |
|---|---|---|
| 通常のバー+フォームパッド | バーにクッションを追加する | クッションの追加だけで肩の痛みが解消するとは言えない |
| 高バー | 上背部寄りに担ぐ | バー位置の変更は個別の肩痛解決の根拠にならない |
| 低バー | 肩甲骨上に担ぐ | 肩への要求が変わるが、痛みがある状態での試行は避ける |
| セーフティスクワットバー | 肩の外旋を要しない構造 | 治療器具ではなく、使用可否は専門家の判断が必要 |
バーの種類や使用条件はジムごとに異なります。型式やパッドの仕様を確認できない場合は、特定の器具仕様を前提にした判断をしないでください。
通常のフォームパッドとセーフティスクワットバーは同じではない
フォームパッドはバーに追加するクッションで、セーフティスクワットバーは肩の外旋を要しない構造を持つ別種のバーです(Rehabilitation to Performance of the Shoulder for the Tactical Athlete)。パッド付き器具の名称や構造をスタッフに確認し、フォームパッドの厚さを変えることだけで解決策を決めないでください。
セーフティスクワットバーに替えても痛みが出ないとは限りません。症状がある場合の器具選択は専門家の判断を優先します。
脚トレを続けるなら、痛みのない種目を専門家と選ぶ
肩や背中の症状がある間は、バーベルスクワットを続ける前提にせず、症状や既往歴を確認したうえで痛みのない脚トレを専門家と選んでください。
脚の運動をすべて中止する必要があるかは、投稿や一般向けの情報だけでは決められません。痛みのある状態で運動してよいかは医療専門家に相談してください。相談時には、自重スクワット、ゴブレットスクワット、レッグプレスなど、バーを背負わない候補を挙げて適否を確認する方法があります。ただし肩や背中の状態によっては適さない場合もあるため、これらを一律に勧めるものではありません。
ACSMの2026年のポジションスタンドは、健康な成人を対象に、トレーニングを個人に合わせる重要性と、多様なプログラムが筋力・機能・筋肥大に有効となり得ることを論じています(ACSM Position Stand: Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults)。体重運動・バンド・自宅運動も選択肢として含まれますが、これは痛みやけががある人への個別リハビリ指示ではありません。
種目を検討する際は、次の観点で整理すると相談しやすくなります。
| 種目 | 肩にバーを担ぐか | 実施前に確認する条件 |
|---|---|---|
| 自重スクワット | 担がない | 肩・背中の症状に応じた個別判断が必要 |
| ゴブレットスクワット | 担がない | 保持時の姿勢や症状に応じた個別判断が必要 |
| レッグプレス | 担がない | マシンの設定と症状に応じた個別判断が必要 |
通常のバーを担げないからといって、筋トレ全体ができないと決めつける必要はありません。症状のない範囲でできる動作を、専門家と確認しながら探してください。
バーを背負わない種目も選択肢になる
健康な成人向けの筋力トレーニングには複数の方法がありますが、肩や背中に症状がある人が選べる種目は個別に確認が必要です。自重運動やマシン種目を紹介する場合も、症状がある読者に無条件で実施を促さないでください。
セーフティスクワットバーと通常の高バー・低バーを比較した研究は、レクリエーション目的で筋トレをする男女の力学を比較したものであり、痛みの治療や再発予防を検証したものではありません(A Biomechanical Comparison of the Safety-Bar, High-Bar and Low-Bar Squat around the Sticking Region among Recreationally Resistance-Trained Men and Women)。この種の研究は器具の違いを理解する参考にはなりますが、症状がある人の種目選びを直接導くものではないと理解しておいてください。
目標が筋力・筋肥大・健康づくりのどれかによっても、動作・負荷・器具の選び方は変わります。最終的には専門家と相談して調整してください。
よくある質問
バーベルスクワットで肩が赤くなるのは、バー位置が悪いからですか?
投稿だけでも一般論だけでも原因は特定できません。強い痛みや数日続く赤みがある場合はそのバーでのスクワットを中止し、器具と症状を医療・運動の専門家に確認してください。
スクワット用のフォームパッドとセーフティスクワットバーは同じですか?
同じではありません。フォームパッドは通常のバーに追加するクッションで、セーフティスクワットバーは肩の外旋を要しない構造の別種のバーです(Rehabilitation to Performance of the Shoulder for the Tactical Athlete)。名称や機能はジムスタッフに確認してください。
肩が痛くても、肩のストレッチをすればスクワットを続けられますか?
ストレッチをすれば続けられるとは判断できません。強い痛みや赤みがあるなら、そのスクワットを中止し、症状が続く・悪化する場合は医療機関へ相談してください。
通常のバーベルスクワットができないと脚の筋トレはできませんか?
筋力トレーニングには複数の方法があります(ACSM Position Stand: Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults)。ただし肩や背中に症状がある場合、どの脚トレが適切かは個別に異なるため、痛みの状態を専門家に確認してから選んでください。
参考資料
- Squat help
- How do you do weighted squats without shoulder pain?
- Shoulder pain – NHS
- Rehabilitation to Performance of the Shoulder for the Tactical Athlete
- American College of Sports Medicine Position Stand: Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults
- A Review of the Biomechanical Differences Between the High-Bar and Low-Bar Back-Squat
- A Biomechanical Comparison of the Safety-Bar, High-Bar and Low-Bar Squat around the Sticking Region among Recreationally Resistance-Trained Men and Women

