「太る筋トレ」と検索していた頃の私は、正直かなり焦っていました。人より食べていないつもりはないのに体重が増えない。筋トレを始めても腕や胸が目に見えて大きくなる気配はなく、鏡に映る体は相変わらず細いまま。周りからは「細くてうらやましい」と言われても、自分の中ではずっとコンプレックスでした。
当時の私は、「とにかく筋トレをすれば太れるはず」と思っていました。腕立て伏せを増やし、腹筋も毎日のようにやって、それなりに頑張っていたつもりです。けれど、結果はほとんど変わりませんでした。今振り返ると、うまくいかなかった理由はとても単純で、筋トレだけに意識が向いていて、体を大きくするための食事と回復が抜けていたからです。
この記事では、食べても太れない時期が長かった私が、遠回りしながらも体重を増やし、見た目を変えていけた考え方をまとめます。結論から言うと、「太る筋トレ」という特別なメニューがあるわけではありません。大事なのは、太るために必要な筋トレのやり方と、体重を増やすための食べ方をセットで考えることでした。
筋トレだけでは太れなかった
最初の失敗は、とにかく運動量を増やせば体が大きくなると思っていたことです。細い体が嫌だったので、何かしないといけない気持ちばかりが先走っていました。腕立て伏せ、スクワット、腹筋。家でできるものを思いつくままにやっていましたが、体重計の数字はほとんど動きませんでした。
その頃の食事を思い返すと、朝は軽く済ませ、昼は普通、夜もそこそこ食べているつもりでした。ただ、今の自分から見ると、圧倒的に足りていませんでした。そもそも、太りたい人間の「普通」は、現状維持の食事でしかなかったんです。
筋トレをするとお腹が空くから太りやすくなる、というイメージを持っていましたが、私の場合は逆でした。筋トレをして少し疲れると、食欲が落ちる日もありました。頑張って動いているのに、その分のエネルギーを補えていない。これでは体が大きくならないのも当然です。
ここでやっと気づいたのは、痩せ型の人が体を大きくしたいなら、「鍛えること」より先に「増やす前提の生活に変えること」が必要だということでした。
私が変われたきっかけは「食べながら鍛える」と決めたこと
以前の私は、「先に少し太ってから筋トレしたほうがいいのかな」とも考えていました。けれど実際にやってみると、食事だけで体重を増やそうとしても、ただ苦しいだけで続きませんでした。無理に詰め込むように食べると胃が重くなり、翌日には食欲が落ちて、結局また元に戻る。この繰り返しです。
そこで方針を変えました。先に太るのでもなく、筋トレだけを頑張るのでもなく、「食べながら鍛える」と決めたんです。これが一番大きな転換点でした。
やることはシンプルです。筋トレは筋肉を増やすための刺激として続ける。そのうえで、食事は今までより少し多く、でも無理のない範囲で積み上げる。私はこのやり方に切り替えてから、ようやく体重がじわじわ増え始めました。
いきなり見た目が変わるわけではありません。でも、体重計の数字がほんの少しずつ上がっていくと、気持ちが折れにくくなります。以前は「何をやっても変わらない」と思っていたのに、「ちゃんとやれば変わるかもしれない」に変わったのは大きかったです。
太る筋トレで本当に大事だったのは大きい筋肉を鍛えること
細い体を変えたくて筋トレを始めると、つい腕や腹筋に意識が向きがちです。私もそうでした。見た目に出やすそうな部位ばかりやっていた時期があります。でも、体重を増やしたいなら、最初に優先すべきなのは胸、背中、脚のような大きい筋肉でした。
ここを鍛えるようになってから、体の変化が少しずつ出てきました。特に脚をきちんと鍛えるようになってから、全身の張りが変わった感覚がありました。正直、脚の日はきついです。翌日もだるさが残ることがあります。でも、体を大きくしたいなら避けて通れないと感じました。
私が最初に軸にしたのは、腕立て伏せ、スクワット、背中を使う動きの三つでした。ジムに通えるようになってからは、押す種目、引く種目、脚の種目を中心に組みました。難しいことはしていません。派手なメニューより、基本を繰り返したほうが結果につながりました。
以前の私は、毎回違うことをやったほうが効くと思っていました。でも実際には、同じ基本種目を少しずつ伸ばしていくほうが、体つきは変わりやすかったです。回数が一回増える。前より少し重い負荷でできる。その小さな前進の積み重ねが、太るための筋トレではかなり重要でした。
私がやっていた太るための筋トレメニュー
最初は自宅で十分でした。むしろ、いきなり完璧を目指さなかったのが良かったと思います。私が続けやすかったのは、週に二回から三回、全身を大きく使うメニューを回す形でした。
腕立て伏せは、胸と腕だけでなく、体幹もある程度使えるので、最初の主力にしていました。最初は回数が少なくても問題ありません。大事なのは、毎回少しだけでも前回を上回ることでした。
スクワットは、体を大きくしたい人ほど外せない種目です。私は脚トレが苦手でしたが、ここを避けていた頃は上半身もあまり変わりませんでした。しっかり腰を落として回数を重ねるだけでも、かなり効きます。
背中の種目は家だと工夫が必要ですが、机を使ったローイングのような動きや、姿勢を保ちながら背中を意識するだけでも違いました。ジムに行けるなら、引く動作はかなりやりやすくなります。胸ばかり鍛えていた頃より、背中をきちんと入れたほうが体の厚みが出やすかったです。
慣れてきてからは、やりすぎないことも意識しました。昔の私は、やる気が出ると毎日でも筋トレしたくなるタイプでした。でも、細い人ほど、頑張りすぎると食事や回復が追いつかなくなります。今思えば、頻度を増やすより、一回ごとの質を上げて、ちゃんと食べて、ちゃんと休むほうが結果につながりました。
食べても太れない人ほど「一回でたくさん食べる」をやめたほうがいい
私がいちばん苦労したのは筋トレより食事でした。食べればいいと言われても、その「食べる」ができないから悩んでいるわけです。ここをわかっていないアドバイスは、正直ほとんど役に立ちませんでした。
以前の私は、太るためには一食ごとの量を増やすしかないと思っていました。でも、それだと毎回しんどいんです。食べ終わった後に苦しくなり、次の食事の時間になってもお腹が空かない。これでは続きませんでした。
私に合っていたのは、一回で無理をするのではなく、食べる回数を増やすことでした。三食で足りないなら、その間に軽く何かを入れる。食事のたびに完璧を目指すのではなく、トータルで少しずつ増やしていく。この形に変えてから、ようやく現実的に続けられるようになりました。
特に助かったのは、主食を意識して増やしたことです。細い人は、おかずは食べても主食が少ないことがあります。私もそうでした。たんぱく質ばかり意識して、肝心のエネルギー源が足りていなかったんです。体を大きくしたいなら、筋肉の材料だけでなく、ちゃんと動かして回復するためのエネルギーも必要でした。
それから、食欲が弱い日は固形物にこだわりすぎないようにしました。飲みやすいものをうまく使うと、思ったより入ります。昔の私は「ちゃんとした食事じゃないと意味がない」と考えていましたが、それで食べられないほうがもったいなかったです。
体重が増え始めてから見た目の変化が出るまで
ここはかなり誤解していました。私は最初、筋トレを始めたらすぐに胸板が厚くなったり、腕が太くなったりするものだと思っていました。でも実際は、そんなに早く変わりません。
体重が少し増えたあとも、最初は見た目が大きく変わった実感はありませんでした。ところが、ある時期を過ぎると、服の肩まわりや胸まわりの感じが少し変わってきます。横から見たときの薄さが和らいでくるというか、前より「板みたいな体」ではなくなってくるんです。
私の場合、この変化を感じるまでには時間がかかりました。短期間で劇的に変わることはありませんでしたが、逆に言うと、数週間で諦めなくて良かったと思っています。細い人は、もともとの体のベースが軽いので、小さな積み重ねでも後から効いてきます。
この頃から、体重だけでなく、鏡で見る習慣をつけました。数字だけ追うと、気持ちが振り回されやすいからです。体重は昨日より減る日もあります。でも、肩まわりや胸、背中の立体感は、少しずつ変わっていました。見た目を確認するようにしてから、途中でやめにくくなりました。
太る筋トレで失敗したこと
ここはかなりあります。まず失敗だったのは、筋トレをすれば勝手に食べられるようになると思っていたことです。実際には、食欲が増える日もあれば、疲れて逆に入らない日もありました。だから、空腹任せにするのではなく、食べるリズムを整える必要がありました。
次に、腹筋ばかりやっていたことです。痩せ型の人はお腹まわりが薄いので、腹筋を割りたい気持ちになりやすいですが、体重を増やしたい時期には優先度が高くありませんでした。今思えば、そこに使っていた時間を胸、背中、脚に回したほうがよほど良かったです。
さらに、やる気がある日に詰め込みすぎるのも失敗でした。筋トレの量を一気に増やし、食事も無理して増やす。すると次の日に全部嫌になります。細い人が太るうえで大切なのは、爆発力ではなく継続でした。強い日に頑張りすぎるより、弱い日でも最低限を続けるほうが、結果として前に進めます。
もう一つ大きかったのは、他人と比べすぎたことです。もともと体がしっかりしている人の増量法を真似しても、私には合いませんでした。食べる量も、筋トレの頻度も、スタート地点が違います。自分に合うペースを見つけてからは、かなり気持ちが楽になりました。
体を大きくしたい人に伝えたい、続けるためのコツ
私が続けられた理由は、すごい根性があったからではありません。続けやすい形に変えたからです。
まず、完璧主義をやめました。毎日理想通りに食べて、理想通りに鍛えるなんて無理です。うまくいかない日があっても、次の日に戻せば大丈夫。この考え方になってから、かなり楽になりました。
次に、記録をつけるようにしました。といっても細かすぎることはしていません。体重をざっくり見て、筋トレで前回より少し伸びたかを確認する程度です。それだけでも、自分がちゃんと積み上がっている感覚が持てました。
それから、筋トレの日だけ頑張るのではなく、食事と睡眠も含めて一つの流れとして考えるようになりました。昔は筋トレだけを特別視していましたが、今はむしろ、その前後の生活のほうが大事だと感じています。しっかり食べて、ちゃんと休んで、そのうえで鍛える。この順番が整うと、細い体でも少しずつ変わっていきます。
太る筋トレを探している人へ
もし今のあなたが、「食べても太れない」「筋トレしても変わらない」と悩んでいるなら、以前の私とかなり近い状態かもしれません。そんな時に伝えたいのは、太る筋トレという魔法のメニューを探すより、体を増やせる生活に変えていくほうが近道だということです。
大きい筋肉を優先して鍛えること。食事を一回で増やせないなら回数でカバーすること。少しずつでも前回より進むこと。そして、短期間で結論を出さないこと。この積み重ねができるようになってから、私はやっと体重も見た目も変えられました。
細い体がずっとコンプレックスだったからこそ、少し肩まわりが変わっただけでも本当にうれしかったです。服が前より似合うと感じた時、鏡を見るたびに嫌だった気持ちが少し薄れた時、「続けてきて良かった」と思えました。
太る筋トレを探している人が求めているのは、たぶん派手なテクニックではありません。本当に知りたいのは、「自分みたいな体でも変われるのか」ということだと思います。私自身、遠回りはしましたが、やり方を変えてからは少しずつ変われました。だからこそ、今うまくいっていなくても、筋トレと食事の方向を揃えれば、体はちゃんと変わっていくと伝えたいです。



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